DX推進やシステム刷新・導入には、多くの人員とコスト、時間がかかります。
しかし、業務部門が主体的に取り組まなければ、どれほど優秀なベンダーやシステム部署がいても、
効果が半減する可能性が高いです。
本ブログでは、マスタ構造の再構築や業務フロー整理など、業務部門こそやるべきパートを中心に紹介します。
なぜ現場が主導しないと成果が出ないのか。
どうやってマスタを管理し、システム部署と連携するのか。
そして「何をどのように整理すれば、投資対効果を高められるのか」
筆者が社内プロジェクトで得たリアルな知見を共有します。
これからシステム刷新・導入、DX推進などのプロジェクトに参画する方必見です!
自己紹介 と これまでの経歴
2013年に小売企業に就職し店舗従業員として勤務、2018〜2020年には営業職として海外駐在を経験。
帰任後、物流部門でコスト管理や協力会社との折衝、マスタ管理などを担当しています。
物流部署のメンバーとして、2021年3月から4年間にわたり社内システムの刷新プロジェクトに参画しています。
2021年からは、社内マスタ再構築プロジェクトに加わり、項目定義書やマスタモデル図など要件定義に必要な成果物を作成し、システム開発メンバーへ引き継ぐ橋渡し役を担いました。
2023年から2025年2月現在時点まで、物流システム(LMS)刷新プロジェクトに中心メンバーとして参画。
業務部署の視点で現状業務や必要機能を整理し、フロー図や仕様書をシステム部署に連携しています。
マスタ再構築プロジェクト立ち上げ当初は「なぜシステム部署がやる作業に、自分が呼ばれたのか?」と疑問を抱いていました。
しかし実際には、業務現場が書き起こす情報こそがプロジェクトを成功に導く鍵だと痛感しました。
その学びをこのブログで共有できればと考えています。
ブログを立ち上げた経緯:読者への願いと著者の経験
「システム刷新・導入やDX推進は、自分たち業務部署が主役だ」と意識してみてください。
コンサルやシステム部署に頼りきりになると、どうしても現場目線が漏れやすいです。
私のプロジェクト参加の経験上、外部の力を使うか否かに関わらず、最初に業務部門で整理しておくべき情報が多いと感じました。
プロジェクトで感じたこと
プロジェクトは、基本的に業務側が成果物を作成し、成果物の内容を確認したシステム側から構築をするために必要な情報を問われる形式でした。この中で私は、自分自身業務を本質的に理解をしていないことを認識しました。
“この業務のそもそも何のために?”
“なぜこのタイミングでこの情報が必要なの?”
上記のような業務理解を深めていくことで、『システムは、情報のつながりを決められたロジックで連動させていくこと』であることを理解をしました。
しかしながら、ロジックというものが当たり前のように日々の業務に溶け込んでいることにより、どのような意味を持っているのかを見失いがちです。
取り組みの中で、いきなりシステム部門が動くのではなく、現場が「どんな業務をどう処理しているか」を明文化できることで、後々の調整が驚くほどスムーズになると気づきました。
本当に必要な情報はなんなのか?
我々の業務はどうあるべきなのか?
どんな情報を軸としてデータ集計をしたいのか?
上記のような思考が、業務の整理と未来への基礎づくりに重要なポイントです。
このブログを通じてお伝えしたいこと
このブログを通じて、みなさんには「業務担当者が率先して業務フローやマスタを整理し、
システム開発者・ベンダーとの連携をリードするイメージ」を具体的に持っていただけたらよいなと思っています。
最初からゴールや必要な成果物のレベル感が分かっていれば、
私が経験したような「漠然とした不安」や「膨大な時間をかけた手戻りへの対応」を減らせるはずです。
“システム部署が理解しにくい成果物を作成して、無限にラリーをし続ける”状況を防ぎ、
コストや時間を有効に使ってDX、システム刷新・導入を前進させましょう。
コストと時間がかかるからこそ
システム刷新は決して安くありません。
しかも、導入後に現場が「使いにくい」と嘆くことになるのなら何の意味もありません。
私自身、「自分の業務を把握し、主体的に情報を発信していきましたが、システムは構築された時に思ったような仕様と違う」ということを経験しました。
皆さんには、私の失敗や成功の軌跡を、今後のプロジェクト推進の参考にしていただければと思います。
上記のような経緯から、「業務部署が主役のシステム導入・刷新」をテーマにブログを立ち上げました。
現場の視点でDXを進めることのメリットと手順を共有し、少しでも後悔や無駄を減らすお手伝いができれば幸いです。
このブログで “伝えたい” 3つのポイント
1)業務部署が動かないと価値半減
皆さんの業務をシステム部署、システムベンダー様が何の説明もなく理解をすることは100%ありません。
システム部署やベンダーが主体になると、本質的な業務のあり方や微妙な業務運用・実態を拾いきれず、
結果的に業務部署が使いにくいシステムが生まれる恐れがあります。
業務部署の皆さんが、自分たちの業務について再認識して伝えることで、これから構築されるシステムの価値が大きく変わります。DXでも同じように業務が何をしたいかに左右されます。
2)業務フローとシステムの適合が必要
どんなに機能豊富なシステムでも、自社の業務フローに合わなければ無用の長物です。
システム刷新時は、誰が、どのタイミングで、どの項目を登録するかを明確にしておくことが大切です。
適切に情報を取りまとめることで、より効率的なプロジェクト推進につながります。
業務部署が成果物に5W1Hがあることで、実業務とシステムが初めて連動します。
3)マスタ管理は組織としての仕組みが重要
マスタが正しいかどうかは、マスタ管理体制にかかっています。
現場で使う情報が誤っていると、DXは進むどころか余計な混乱を引き起こします。
「誰が責任を持って更新するか」「更新ルールはどう定めるか」を組織的に決めることが不可欠です。
多くの部署が利用するシステムでのマスタ管理の場合は、部署間の横串を刺すことで精度高く維持することが可能になります。
このブログで “読者が得られる” 4つのポイント
1)プロジェクト推進のマインド
業務担当者として、システム導入や刷新にどう向き合うべきか。
形だけの協力ではなく、当事者意識を持つ意味を実体験から学んでいただけます。
2)マスタ再構築とシステム刷新の進め方
マスタ項目をどう洗い出し、どう再定義するのか。
システム開発者と要件をすり合わせる際の手順を紹介します。
新たにシステムを導入する際にも使える考え方で、DXを進めて行きましょう!
3)業務説明に必要な成果物づくりの方法
業務フロー図や仕様書、マスタの項目定義書など、具体的に何を作ればベンダーやシステム部署に伝わるのか?
実際に作成した成果物の作成手順などを丁寧に説明して行きます。
4)システム導入の考え方
何が目的で、どの部分でコスト削減や効率化を図るのか。
目的と現状を明確にすればするほど、投資対効果は高まります。
社内上申にも必須の考え方です!
こんな方に読んでほしい!
1)システム導入・刷新プロジェクトに参加中、あるいは参加予定の方
「システム部署が全てやってくれる。私はただのお手伝い。」と思っていませんか??(恥ずかしながら、私はそう思っていました・・・)
実際には実務者でないとわからない情報があります。長く時間がかかるプロジェクトを行うのであれば、効率的により良いものにしていける方法を一度見てみませんか?
2)業務効率化やアプリ導入を検討している方
漠然と「RPAで自動化したい」「新しいソフトウェアを入れたい」と考える前に、
業務フローの棚卸しやマスタ管理の体制づくりなど、一度考えてからでも遅くはありません。
何か仕組みを導入するということは、必ず前後に何かしらの業務があります。
前後の業務との整合や後続での管理方法が固まっていない状態で運用することにより、思っていた効率化にはならないかもしれないかもしれません。
3)古いシステムに不満があり、刷新を提案したい方
IEサポート終了のように、外的要因で刷新が避けられないケースが増えています。
現行のシステムから機能をそのままに刷新をしたとしても、以前と異なり人件費も高騰しています。
当時の金額そのままには開発ができない事は覚悟をしてください。
せっかく時間をかけるのですから、未来への投資と思い業務の見直しからやることも検討してみてください。
まとめ
DX推進やシステム刷新において、業務部門が主体的に動くことの大切さは、自身の経験から強く感じています。
マスタを整理し、業務フローを明文化し、必要な機能を自ら提示することで、
コストと時間を無駄にせず、効果的な改革を実現できるはずです。
今後の投稿では、より具体的な事例やツールの使い方、成功事例・失敗事例を交えて解説します。
一つひとつのステップを確認しながら、皆さんが確実にシステム刷新・導入、DXを進める土台を築けるような情報を提供していきます。
ぜひ次回以降の記事もご期待ください!